タッチ・アシスト
人を正気にさせたりする時に使える技術があります。これは被災地で使用されている技術であり一般の生活の中でも使用できます。
タッチ・アシストの目的は、ケガをした身体の部分や病気に冒された身体の部分とのコミュニケーションを回復させることです。 タッチ・アシストは、その人の注意を患部に向けさせます。 これは、病人やケガ人の身体に繰り返し触れ、その人にその患部とコミュニケーションを取らせることによって行われます。 患部とコミュニケーションを取ることが回復をもたらします。 このテクニックは、何かを治したり矯正したりする方法は、その人にそれとコミュニケーションを取らせることである、という原則に基づいています。
ケガや病気をしている場合はちゃんと病院で手当した後に行なってください。
手順
0. アシストを始める前に、必要な応急処置を行います。 例えば、傷口から出血している場合には、まず最初の処置として傷の手当てをし、包帯を巻くべきです。
1. その人を座らせるか、横たわらせ、その人にとってより楽な姿勢を取らせます。
2. その人にこれからタッチ・アシストを行うことを告げ、手順を簡潔に説明します。
これから用いる指示をその人に告げ、その人がそれを確実に理解するようにします。 その指示は、「私の指を感じてください」です。
その人に、指示を実行したら教えてくれるように告げます。
3. 「私の指を感じてください」という指示を与え、次に適度な力を加えながら指で身体の一点に触れます。
触れた後で指示を与えてはいけません。それでは順序が逆です。
1本の指だけで触れます。 指を2本使うと、その人はどちらの指を感じればいいのか混乱するかもしれません。
4. その人に アクノレッジ します。「ありがとう」、「結構です」または「いいですね」など。
5. 指示を与え、触れ、その人が指示を実行したことを示したらアクノレッジする、といった具合に続けます。
特定の患部に対してタッチ・アシストを行う際には、徐々にそこに近付き、徐々にそこから遠ざかります。
患部に近付いて遠ざかり、近付いて遠ざかり、さらに近付いて、さらに遠ざかり、実際に患部に触れるまで近付き、さらに遠ざかります。 身体の神経経路をたどるようにします。これには、背骨や四肢(手足)、また肘、手首、膝の裏、指先といった、神経経路のさまざまな中継点が含まれます。 あなたが目指すのはこれらの箇所です。 これらはすべて、衝撃波が閉じ込められる可能性のある箇所です。 あなたがしようとしているのは、再び身体にコミュニケーションの波が流れるようにすることです。というのは、ケガのショックがそれを止めたからです。
身体のどの部分を対象にしているのであれ、触れる部分には、四肢(手足)と背骨が含まれるべきです。
身体に触れる時には、左右両側にバランス良く触れなくてはいけません。 右足の親指に触れたら、左足の親指にも触れます。背骨から数センチ離れた箇所に触れたら、次は、背骨の反対側の同じだけ離れた箇所に触れます。 これが重要である理由は、脳と身体のコミュニケーション・システムが連動しているからです。 右手に触れると左手の痛みがなくなる(消える)ことがありますが、それは右手がその痛みを閉じ込めていたからです。
身体の左右両側を扱うことに加え、身体の前側と後ろ側も扱わなければなりません。 つまり、注意が身体の前側に向けられたら、後ろ側にも向けられなければならないということです。
同じ原則は、身体の特定の部分に対して行う際にも当てはまります。例えば、右足の前側のケガに対してアシストを行っているとします。 この場合のタッチ・アシストには、手足と背骨を扱う通常の行為に加え、右脚の前側、左脚の前側、右脚の後ろ側、左脚の後ろ側が含まれます。
6. アシストはその人の気分が前より良くなるまで続けられます。 その人の言うことや表情から、良くなっていることがわかるでしょう。 これらを徴候と呼びます。
徴候とは、アシストの最中に生じる状態や状況のことで、アシストがうまく行っているかどうかを示すものです。 手のケガのような悪い状態が良くなった場合、それは良い徴候です。 手の痛みが薄れれば、それも良い徴候です。
タッチ・アシストは、それを受けている人の気分が前より良くなったり、痛みが和らいだり、その状態について前より満足するといった、良い徴候を示すまで続けられます。 その人はコグニションも得るでしょう。
7. 以上のことが起こったら、その人に「アシストを終わります」と告げます。
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